短編小説

【短編】すれ違いsummer party

お題箱のお題に応えました⭐️

 

(受けのことが好きだけど素直になれない攻め(美形)と攻めは友達(美形)の事が好きだで片思いだと勘違いしている受け(平凡)のすれ違いのお話)

ーーーーーーーーー

好きな人にはどうやら好きな人がいるっぽい。

 

「お〜す宇野お。英語の課題写させろ」
「あ、海里。金払いな♪」

朝の教室で、美形ふたりが僕の前で楽しそうにぺちゃくちゃと喋っている。

 

海里くんは僕の好きな人で、高校生ながらアイドルデビューしてて、学業の合間にライブやったりステージ出たりしてるすごい人。

男らしいガタイの良いイケメンで、黒髪・黒目のクールさがたまらない。あのきつい眼差しに見つめられるだけで妊娠できると女子に噂だ。

海里くんは顔ちょっと怖いけど、ああ見えて女子には結構優しく接してて、いろんな女子を恋に落としまくる罪深い人。

 

ちなみに僕は見つめられることはない。

ってか目を合わせて喋ってくれたこととかほとんどない。

海里くんは誰とでも割と喋って友達になるタイプだけど、僕とは喋らない。

ここまであからさまだとつい苦笑してしまう。
僕みたいな隠キャはゴメンなのだろうなって。

でもね、僕の仲良い友達の宇野くんが合流すると海里くんはあからさまに笑顔になって、ぺちゃくちゃよく2人で喋ってケラケラと笑いあって、すっごく楽しそう。

宇野くんはカワイイ系ハンサムボーイ。笑顔がとにかくチャーミングで、男女問わず大人気だ。先生にも気に入られてて、彼だけは遅刻しようが宿題忘れようが怒られることはないというズルい奴。

でもあのカワイイオーラは人をハッピーにしちゃうんだからしょうがない。僕だって大好きだし。変な意味じゃなく。

 

でさ。彼らはふたりつるむと何か内緒話して、クスクスワイワイキャッキャキャッキャ、とにかく超楽しそうなワケ。海里くんなんか隣のクラスなのに、毎日毎日宇野くんに話しかけててさ……。その時の海里くんのイキイキぶりといったらね、もう……。

 

まー、きっと海里くんは宇野くんが好きなんだろうな。そうワカルやつだ。

でも宇野くんの気持ちはよく見えてこなくて、僕は毎日ヤキモキが止まらないでいる。

おまけにもうすぐ夏休み。

夏休み始まっちゃったら、40日間好きな人には会えないんだ。

その間に宇野くんと海里くんがヒッソリ進展したらどうしよう……なんて悩んでしまっている。

◆◆◆

「え、3人でカラオケ……?マジで言ってる……?」

僕は死ぬほどキョトンとした。

下校時刻。
宇野くんが、海里くんと僕とでカラオケ行こうと言い出したんだ。

「そ。もうすぐ夏休み入っちゃうしさあ。3人で遊ぶの新鮮だし、たのしーじゃん♪」

にこにこしてる。相変わらずなんてカワイイ笑顔なんだ。っていうかなんて美しい歯並びなんだ。すごい。歯医者のCM出れば良いのに。

まあそれはさておき。

教室の後ろのドアんとこで海里くんは既に待ってるっぽくて、それを脇見しつつヒソヒソと言った。

「……や、やー、でも僕。ぶっちゃけ海里くんにはあんまり好かれてないの……ね……?」

「そ〜お〜?そんなことあり得ないと思うけどなあ僕は」

相変わらずのにこにこ笑顔。屈託がなくて眩しい。

きっと宇野くんは誰かに疎まれるということが人生でないのだ。性格まで良いもんな。

「ね!行こって!絶対楽しいし!ね?」

ギュと両手で手を握られて真っ直ぐな笑顔を向けられて、なんか変にドキッとしちゃった。

「ね?薫」
「あ、う……はいっ」
「やった〜!すき!」
「……す!?」

そして抱きつかれた。

え、やばいやばいやばい首まで赤いぞいま僕。

宇野くんは帰国子女なのもあって、感情表現がストレートだ。

別に宇野くんをそういう目で見てる訳じゃないはずなのに、なんか告白でもされたように感じて変な汗が止まらない。

「あ!海里!カラオケ薫も行くから〜!」

宇野くんがキャッキャと声をかける。

振り返ると、人を殺しそうな目で海里くんはこっちを見ていた。

「……!」

ヒッと喉が鳴った。

僕、多分いま海里くんの頭ん中でころされたなって思ってさ……。

 

ううっつらい。好きなひとに憎まれるの……!!

◆◆◆

 

カラオケへ向かう道中も、ずっっっと海里くんと宇野くんはキャッキャキャッキャ喋っていた。

ふたりのあとを何となくついていく。

「でね〜薫?」

時折話題を振ってくれるやさしい宇野くん。まじ性格良い神。

「え、えー?」

えへえへと話題に乗ってみる僕。たくさん笑う宇野くんとは会話がよく弾んだ。

それに絶対入ってこない海里くん。ううう……辛っ。

この3人でのカラオケに不安が募ってはいたもののでも宇野くんいるしと自分に言い聞かせていたのだが。

いざ!カラオケの小部屋に3人で入った時。

突如宇野くんは言った。

「あ!ごめん。ってか学校に宿題ノート置いてきちゃったわ!!とって来なきゃ!ごめん2人で先遊んでて!すぐ戻ってくるからー!」

「!?待っ」

「じゃーね!!」

そして光の速さで出ていった宇野くんであった。

「……」
「…………」

沈黙が重い。冷や汗がダラダラ出る。どうしよう。今すぐ地球から消えたいきもち。

宇野くん……!!お願い早く帰って来てええええ…!!

ゴク、と喉を鳴らし、チラ、と海里くんの方を見る。

彼は眉をひそめ絶望的な顔をしていた……。

いやどうしよう、こんなイケメンにこんな顔をさせてしまって。眉間に皺なんて刻んではいけない人なのに……。

胃がギュッと縮んだ。

がんばれ、僕……!!!!!

「……と、とりあえず、なんか食べもんでも頼んで待っとく……?」

「……!お、おお……だな」

とりあえずフードメニューをあれこれ見ていく。(時間稼ぎ)

「あ、オムライスある〜♡これ頼もうっと」
「……」

何も言わずジッと僕を見つめた海里くんの視線を、視界の端で感じ取って冷や汗がまたダラダラと出る。

子供っぽいやつと思われちゃったかな?うううつい……すみませんもう地中に埋まりますね僕……。

「か、海里くんは何にする……?」
「たい焼き」

真顔でそれだけ言われる。え、こんなシブキメなのにたい焼き????甘い物好き??ギャップ萌なんだけど

「そ、そっかあ」

でも無難にそう答えた。

何それカワイイ〜とか、宇野くんだったらワイキャイ突っ込めるんだろうな……。

 

 

 

「……たい焼きうま」

食べている間も、宇野くんは帰って来なかった。宇野くんの帰りを神に祈ったが届かなかった様だ。

「……宇野、まだかかるって」

海里くんは携帯を見ながら、渋い顔をして言った。

うううう……!
僕は意を決して言った。

「……さき、歌っとく……?」

海里くんはただ頷いた。

 

 

海里くんが先に歌うことになった。そんな、現役アイドルの歌声を生で聴けるなんて。しかも2人っきり……!!

ううう、どうしよう正直めっちゃ嬉しいです、僕の推しよ……!

曲が始める。ヤバい、かっこいい。歌超うまい。低い声も、色気ある歌声も、滲む男らしさも、全部が好きで僕は改めて恋に落ちた。

せめて盛り上げたくて、僕はタンバリンをシャンシャンと鳴らしてみた。気分よく歌ってもらえたらって。

だけど海里くんは途中でカラオケの曲をやめた。

「……調子でねえ」

ハアと天を仰いだ。

 

ううう、ウザかったのかな?ごめんなさい……。

 

◆◆◆

それからちょっとして、宇野くんは戻ってきた。

「ごめんごめん遅れて。ふたりどんな感」
「うっ宇野くうん!待ってたよお!!」

僕は立ち上がって宇野くんに抱きついた。がばっと。

「辞めろよおそういうのお〜」

アハハ!と軽快に笑った宇野くんだった。

チラと視界の隅に、海里くんの姿が目に入る。まさに苦虫を噛み潰したような顔をしてて、心臓潰れちゃった。

きっと宇野くんにこうして抱きつきたいのは海里くんのほうだろう。色んな意味で。自分で考えて自分でズキッと傷つく。

涙がじわついて、ぐりぐりと宇野くんに胸に頭を押しつける。

「甘えんぼかよお」
「一生側にいて……」

僕はさらにひしと抱きついた。

海里くんの殺意を肌で感じていた。

 

◆◆◆

こうして3人でカラオケするという暴挙は失敗に終わったはずだった。

だけど、懲りることなく(!)宇野くんは数日後に誘いをかけてきた。

「えっ……宇野くん家のプライベートプールで3人で遊ばないかって!?何で!?

いや、てか宇野くん家ってプールあんの!?」

「あるよ」

「何なの!?宇野くん家って一体何なワケ!?」

「べっつにい。フツーじゃん?

あ!そうそう、シェフも呼ぶから!ね?プールサイドでおいし〜肉と魚介焼いてえ、パフェ作ってもらってえ、楽しもうよ♪」

「シェフ!?」

目をまんまるにした僕を気にすることなく、宇野くんは続けた。

「ね!決まり!海里も誘うからね!
あとちゃんと水着だかんね!」

「や、やややだあああああああ!!!!!!せめて!!!宇野くんとふたりにしてよお!!!!」

「無理」

僕の悲鳴が学校の廊下にこだましたが、許されることはなかった。

◆◆◆

そして訪れた問題の日。宇野くん家のプールサイドにて。

「……」

死ぬほど渋い顔をした海里くん。うっ水着の似合うメッチャ良い体。すみません目の保養です……。

「ね〜どう!?薫の水着ねー、一緒に選んであげたんだよー♪」

「……どうもこうもねーよ」

プイとそっぽを向いた海里くんだった。

ううっそりゃそう!ただの!貧相な身体ですからこっちは!!!でも水着は結構かわいいデザインなんだよ!宇野くんが何故か一生懸命選んでくれたんだ!!!その気持ちはムゲにしたくない!

「あ、ありがとね宇野くん!?僕、すっごい気に入ってるし!

ってかさ、いや、もうはやいとこ泳ごうよ!!!!?」

そして逃げ出したくて、ぼくはプールにダイブした。

 

 

その日はそれはそれとして本当に楽しく過ごした。宇野くん家のシェフ(誰?)が美味しい料理作ってくれて、おいしいパフェとか出してくれて、至れりつくせり。いや何でこんなお金持ちなの?そりゃ宇野くん、性格良い訳だよ。カワイイ系ハンサムで実家つよつよで。

そして……。

「宇野」

楽しそうに話しかけてる海里くん。

「なにい、海里」

それに楽しそうに応える宇野くん。

 

恋愛もうまくいってたら、そんなの人生楽しいに決まってる……。

 

 

プールサイドの椅子に座ってで何か楽しそうに話してる彼らを横目に、ぼくは1人プールでぱしゃぱしゃやっていた。プール大好きな小学生みたいに。や、プールが楽しいのは本当だけどさ。

でも、あまりにお似合いな2人をやっぱり見てられなくて、僕はトプン、とプールの床の方に身を沈めた。

今日も海里くんは僕とは全然喋ってくれていなかった。

ゴボゴボと水の音が心地良い。

このまま水の底に住んでられたら良いのに。

 

 

そしたら自分が冴えない人間であることも、好きな人に好かれてないことも、好きな人と友達が良い感じっぽいことも、全部全部忘れられる。水が涙も洗い流してくれるんだ……。

 

いやいや、と頭を軽く振った。

ひとん家のプールでなに感傷的になってるんだよ薫。そういうロマンチックなの、お前には似合わないんだよ。

さっさと上がって、『ジュースおかわり〜♡」とかやれよ。な?

 

そうだそうだと自分の感傷に見切りをつけてプールの床を蹴った時。

ピキん!と突如足に痛みが走った。

やばい!足つった!!!!!!!

プール下でもがく。バチャバチャと全力でもがくも、全然水面に上がれない!

やばい、どうしよう!心臓がバクバクする。焦りと不安でおかしくなってきたのか、なぜか泳ぎ方が分からない。

……!

ど、どうしよう!耐えきれずぶくぶくと息を吐いた。全部吐き切る。

やばい、やばい、本当に。僕、死んじゃうのかな、ごめん宇野くんそんな迷惑……。

意識が薄れた時。

力強い腕が突如僕をぐいっと持ち上げた。プールの水面から顔を出す!!ぶは、と呼吸を取り戻した!

「ぶあ、は!!う…ゲッホ!」
「おい!しっかりしろよ!大丈夫か!」

声の主は海里くんだった。逞しい腕に支えられている。

「おい!なあ!!」

すごい不安そうな顔をしてる。

こんな顔、見たことないなと思った。

 

◆◆◆

「大丈夫?かおるう。ほんとにお医者さん呼ばなくて良いの?」

「うん、全然ヘーキ!もう元気だよ」

「薫う……」

宇野くんは僕をギュッと抱きしめた。素肌が触れ合って、少し居心地が良い。

 

それから僕はプールサイドのベンチでしばし休むことになった。心配性な宇野くんにあれこれ世話を焼かれた。

だけど疲れなのか、ちょっとウトウトしてしまった。ハッと気づいたら宇野くんも海里くんもいなかった。

 

あれ……?と思って、付近をパタパタと探してみると。

 

『ふざけ……ってか何で……誘ったんだよ!』

海里くんのカチキレ声がちょっと先の方から漏れ聞こえてきた。

『俺はなあ!……なんて、見たくな……だよ!』

『はあ!?何でそ……言うワケ!?』

ハッキリ聞こえないけど、でも文脈なんて大体分かる。

『何で薫なんか呼んだんだ、あんな迷惑なやつ、見たくないんだよ』

コレでしょ?
心臓を鷲掴みにされるショックだった。

もう、もう、つらい。ってか僕なんかのことでふたりに喧嘩とかしてほしくない。両思いだろうに。

僕は居た堪れなくて、彼らのいる方へと走った!

「ねえ!ふたり!」

「わ!?」

驚いて僕を見上げるふたり。倉庫の奥にいた。

「ごめん、僕。もう帰るから。迷惑かけて、ふたりの邪魔して。ごめん、ほんと。すいませんでした!」

「あ、薫!!」

 

僕はダーッと!走り出して逃げ出した。

……つもりだったけど、それを阻止した人がいた。

「待ってよ薫!」

宇野くんだった。

「今日という今日は話があるんだよ!」
「おい、やめろ!」
「黙ってろ海里!」

2人が口論する。
心臓がバクバク言う。

「や、やだやだ聞きたくない!!!実は付き合ってたとか、そういうヤツでしょ!!!やめてよお!!!」

「はあ!?違うよ!!!海里は薫が好きなんだよ!!!」

「お、おま……っ!!!」

 

「……え……?」

 

な、なんの話…???

「海里はねえ、ツンデレ野郎なんだよ。薫が好きなくせに直接話しかけるの恥ずかしいとか言って、ずっっっと僕にまとわりついて薫の情報収集ばっかり毎日毎日してたんだよキモッ!ほら、海里!!

ちゃんと自分で自分の気持ち、言え!!!!」

 

ドォンと僕の前に突き出された海里くん。
かきあげた前髪が一筋垂れていて、ドキッとした。

「え……?あの……」

「……ずっと見てたんだ。俺と宇野は中学からの友達で、宇野に新しい友達できたって聞いて、へーどんなヤツだろって思って……最初はそれくらいだったんだけど。宇野と喋ってる時の薫、の楽しそうな顔がなんか俺、忘れられなくて。

それで……俺はいつの間にかお前に……」

え……?薫って言った……?

「……でも僕にすごいそっけなかったよね?この間のカラオケだって……途中で歌うの辞めちゃうくらいだったし……」

「!本当は……!すごい、楽しかったんだ。

カラオケでふたりとか、まじラッキーって感じで……。でも宇野がいない状態で何話したら良いか分かんなくて……。

それに見られてるって思ったらなんか全然声でねーし。俺、ライブでも全然緊張普段しないのに。

クソダサい姿なんか見せたら俺は立ち直れないから……あと……」

「あと……?」
「タンバリンをずっとシャンシャンやってるのがもう……」

「あっごめんウザか」
「ちげーよ!!萌えてたんだよ!良いだろボケナス!!!」

クワッて感じでキレられて僕はどういう情緒でいたら良いのか分からない。キレる美男に圧倒されていた。

「ぼ、ボケナス……」
「ああごめんボケナスはいいすぎた可愛いナス」

海里くんは頭を抱えて苦悩している。可愛いナス……???

「で、でもカラオケでご飯食べてるときもずっと無言だったじゃん!?たい焼きうま、しか言わなかったし……!」

「あれは!

……たい焼き、一口ちょうだいって……そういうの言ってくるかなって……」

そっぽ向いて頭をがりがり掻いている。
頬が赤いどころか、みるみる首まで赤くなっていく海里くん。

え、え……え……?

「たい焼きいる?って聞けば良いのでは……?」
「そんなん恥ずいだろ」

えっ!?そう???

「……今日だってあんまり喋ってくれなかったのも……?」
「ここまで来たら察しろよ」

ずっとあっち向いてた海里くんは、チラッとこっちを見た。目の淵が赤い。イライラと興奮しすぎてるみたいだ。

「じゃあさっき宇野くんになんて言ってキレてたの?」

「……何で今日薫を呼んだんだ、わざわざ水着にまでして。お前と素肌でイチャつくとこなんか見たくないんだよ嫉妬させてえのかって」

勘違いだったのか。

ドキドキと胸が高鳴る。

「……好きって……信じて良いの?」

海里くんは頷いた。

「海里くんは宇野くんが好きなんだと思ってた」

「ありえない。宇野は気を遣わなくて良いから楽しいってただそれだけ。

ってか薫こそ、宇野のことが好きなんじゃないかって俺はずっと不安だった。抱きつかれて顔真っ赤にしてたり、自分から抱きついたり、ずっとそばにいてだの……!

ってか実際どうなんだよ!?こいつのこと好きなのか!?」

「ええ?いや、宇野くんは良い友達だよお。ってか宇野くんこそ海里くんのこと好きなんじゃ」

「ナイナイぜ〜んぜん!そういう興味ない。
ほら、分かったでしょ海里。ちゃんと言いな」

せっつかれて海里くんは意を決した様だった。

「だから……なんて言うか……俺と……ああ、その」

続きの言葉をドキドキして待つ。

「……今度ふたりっきりでまたどっか行ってください!海でもプールでも」

そこは付き合ってくださいだろッて宇野くんと僕は2人してガクッと来たものの、照れ屋でキレ気味ツンデレの海里くんにはこれが精一杯の告白だったのだ。

 

 

蓋を開けてみれば滑稽な僕らのすれ違いはこうして解消した。

それからは楽しく3人でsummer partyをしょっちゅうやって、甘酸っぱい夏を堪能しましたとさ。

そして夏休み明けのテストでしっかり僕は赤点を取り、恋人に特別講習をされることになりましたとさ!

特別講習を頑張ったご褒美がどんなんだったかは……内緒!

 

 

 

end

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