こんにちは!月夜です。
★翼×葵のもしもシリーズ第2弾、番外編のサンプルです。
今回は、彼らがもし大学で普通に知り合って付き合っていたら?亮も玲司も脇役に過ぎなかったら?という話です。
執着と支配が生む共依存。
倒錯的なifストーリー。まるで本編とは異なります。
アウトロー、倫理観は仕事をしない。そんな地獄のストーリーを読める人向けです。ハッピーエンドかは分からない。
★翼が本当に好きな人向けです。
本作の葵は亮とも玲司ともくっつきません。
以下サンプルです。
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ギリ、と靴先を踏まれている。
混み合った電車内。僕の足を踏みつけているのは、目の前に陣取っている僕の恋人。絶世の美少年、翼。少し毛先のカールした柔らかくて艶のある髪、アーモンド型の綺麗な瞳。
付き合い初めて2週間。彼は結構嫉妬深いんだと思い知らされている。
キキキーッと電車が駅に到着して止まる。人が流れる様にして降りていく。人の波から僕を護ってくれる王子様みたいな翼は、しかし僕の耳元でボソボソと言った。
「さっきあっちの巨乳の大学生のオンナ見てたでしょ。あり得ない僕がいながら」
「見てないって!目的地まであと何駅かなあって思って案内みてただけで…!」
「嘘だね。おっぱい見てた。このド変態痴漢」
またグッ強めに足さきを踏まれて涙出そう。いやちょっと出た。
まあ、確かに一瞬巨乳の女性を見てしまったのは事実なんだけど。それはただ本当に一瞬視界に入っただけなんだ。
なのに翼はいつもこう。一瞬でも僕が他の人見てるとやいやい文句言ってくる。じゃあ混雑してる渋谷でデートしよう、なんて尚更言ってこなきゃ良いのに。
多分ぼくを虐めて楽しんでるんだろうなあって。
醒めた瞳を向けつつもほんのり笑っている翼を見て、僕はそう思っている。
『醒めた瞳のその下で』
翼と訪れた小洒落たレストラン。良いところのお坊ちゃんの翼。付き合って2週間記念ということで奢ってくれるらしい。
「頂きます」
彼は美しい所作であむ、とラム肉にかぶりついた。
美しいさくらんぼみたいな唇、真珠みたいな歯。噛みつかれると痛いけど、今は結構慣れている。
噛みつかれているあの肉がすこうし羨ましい、なんて心の裏で思ってしまうほど…。
翼の返したナイフがギラ、と光を反射してハッとした。いけない。また魅入っていた。
「そう言えばさ。葵、今度ぼく高校の時の同級生と会ってくるよ」
何でもない風を装っているけれど、僕は内心ドキッとしていた。同時にザワザワとも。思い切って聞いた。
「えっと、それって…2人で会うの?」
「そうだよ」
当たり前の様に言う。そんな、男でも女でも翼が誰かと2人で会うのは不安だ。
「やだ?行って欲しくない?」
試すように視線を向けられて僕は素直に頷いた。
「合格。素直な子って好きだよ」
機嫌よく翼は言う。
「でも行ってくるね。相手ねえ玲司って言うんだ。僕に惚れてた男だよ。すっごくね」
翼は僕をこうやって試す。いやだと言えばやるし、やって欲しいと言われたら絶対やらない。天邪鬼。
僕の嫌がることが好きで、嫌がれば嫌がるほど僕に熱意を向けてくる、そんな男の子…。
だから僕は時折自分の感情が分からなくなる。
翼の関心を引こうとすればするほど、僕は自分の本心とは違うことをしなきゃいけなくなる。
味がしなくなった食事を終えて、翼の家に帰って同じベッドに潜り込む僕ら。
僕が色んな思いを抱えて背を向けているのを、翼は機嫌良く抱きしめている。お互い言葉が交わさない。なのに彼の香水なのか体臭なのか、甘い花みたいな香りがふわと僕を誘う、そんな夜…。
当日。行ってらっしゃいと送り出す他なかった僕。だって翼、僕の言うことなんて絶対きかないから。主従関係がもう出来ていた。
「僕ん家で待ってても良いよ。別に葵ん家帰っても良いし。好きにして。まあ僕がこの家に玲司お持ち帰りしちゃったらゴメンね?酔いの勢いって分かんないもんねえ…?」
⚠️こちらの作品は本編の番外編です。本編はこちら。キャプションにもリンクあります。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16233263
⚠️一部性的描写を含みます。18歳未満の方は閲覧・購入をお控え下さいますようお願い致します。
イチャイチャ度★★☆☆☆
(一応R18指定にしてますが、そういうシーンを期待して読むとガッカリしちゃうかも)
販売ページはキャプションにもリンクあります。
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