私は常々、色んな愛の形をストーリーにしたいと思って作品を書いています。
というのも、愛って人生の一大テーマでありながらその正体をハッキリ答えてくれる人っていないじゃないですか?
だからこそ『愛って何だ?』『こういうことか?』『いやこういうことかも』というのを考えてみたくて色んなストーリーを描いています。
だから私の作品には色んな愛し方の攻めくんが出てきます。
献身的、盲目的、庇護的。
色んなパターンの愛を並べるからこそ、お互いの違いが鮮明になり、気づきが得られるのでは?と。
それで、最近ひとつ思うところがありました。
私はずっと献身的な愛が一番良いものだと思っていてそれが正解だと思っていたんですが、もしかしてそうでもないのかもしれないなと。
というのも、結局人を愛するって誰のためなのか?と言えば、それは受け手のためです。
だから受け手が喜ぶ愛をあげることが、そのカップルにとっての愛のあり方なのかなと考えました。
それが非道な形であっても。
例えばdollシリーズ。
あれは献身的な亮と、どこまでも利己的な翼を両者並べることで、亮の愛し方の良さを伝えたい!という狙いがありました。
翼は利己的な感情を葵に押し付けて、自分では愛だと思ってるんだけど、あれは客観的に見るとただの欲なんですよね。
番外編で翼は葵を家に閉じ込めたりもします。
でもこれってもし葵がそういう関わられ方を喜ぶタイプだったらこれもひとつの愛になるのかな?って思ったんですよね。
逆に言えばどんなに献身的であっても、相手がそれを望んでいなければそれは押し付けになってしまう。
つまり唯一絶対の正しい愛し方がある訳ではなく、カップルの数だけ愛の形には正解がある。
そういうことではないかと思ったのです。
そう思うと、愛のストーリーは幾らでもこれから描くことが可能です。要はポジティブなものでなくても良いんです。
束縛的、刹那的、偏執的。
ダークなものも取り扱い可能になります。受けくんがそれを望んでいるならば。
しかし実際に今の自分の考えが正解かは分かりません。人を導く様に、相手にプラスになる働きかけこそがやはり愛なのかもしれません。
私自身迷っています。
だけど沢山の執筆を重ねていって『愛って結局何?』という問いへの自分なりの答えが出せたら良いなと思っています。
月夜
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