前回はお題箱に沢山ご意見頂きありがとうございました(^^)返信不要の方もありがとうございます。
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三角関係が人気な印象でしたね!色んな性癖が聞けて勉強になりました。
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中にあったご意見で、前回のメルマガ『心乱すあなた』の続きが読みたいというものがあったので、とりあえず今回書きました!
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結構遅くなってしまった。細心の注意を払って家の鍵を開ける。
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勇樹、寝てると良いんだけど・・なんて思ったが、それは無意味な願いだった。
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玄関扉を開けてすぐ、勇樹がすごく怖い顔をして立っていた。
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「早く切り上げて帰ってこいって言っただろ」 「ごめん・・」
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大丈夫だ。健とのLINEはマズイ奴は全部消してある。念のため、今だけブロックしてメッセージが来ないようにしてるし・・。
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そして強引に抱きしめられるのを、僅かに抵抗したら『俺を拒絶するのか』とゴネる。逆らえばどうなるか・・。
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・・健ならこんなこと間違ってもしないだろう、なんて想像しては落ち込むのも、慣れっこ・・。
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僕よりも2個上の勇樹は、出会った当初は爽やかで優しくて、頼り甲斐のある先輩だった。
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ある日、研究室に遅くまで2人で残っていたらそこで告白されたのだ。
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勇樹は押しが強く、僕らはあっという間に同棲をする様になった。最初は良かった。
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僕のスマホをチェックして、常に浮気してないか確認する。ここまでだったら束縛の激しい恋人、で済んだかもしれない。
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でも徐々に『俺以外の人間と会ってる時は、会話を録音させろ』だの『携帯にGPSアプリ入れる』だの、その行動はどんどん激しくなっていった。
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・・今だって、信じられないけどさっきの健との食事の時の会話の録音を、聞いている・・。
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「・・この健って奴さあ。やっぱりお前に気があるんじゃないの?」
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「ないよ。健はただ良い奴なだけ。昔からのただの親友。本当だよ」
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訝しげに僕を見つめる勇樹を、居た堪れない思いで見返した。
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健が僕のことを好きでいてくれたらどんなに良いだろう。
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それに恋人と親友の間で心揺れる僕は、なんて浅ましく罪深い人間なのだろう。
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かやり過ごす。高いお店を選んでくれて、それは感謝してるのだけれど・・。
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『予約するのが大変だった』『ここ結構本当に高かったけど、まあ誕生日だし』『こういう所連れてくるくらい、お前を大事にしてるんだ』
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そんなセリフにあははと相槌を打つ。せっかくの分厚いステーキ肉だけど、食べた気がしなかった。
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昨日は楽しかったなあなんて、少し上の空で考えていた。
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夜。家に帰ってきて、勇樹がシャワー浴びてる間に何気なく携帯を見ていたら。
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『誕生日おめでとう』とふいに来た健からのメッセージ。お、と思っていた。
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『昨日のこと、忘れて。酔ってた』 続けて来たメッセージ。
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あ、やば。一時ブロックしてたから見れてないや。でもそんなこと、言えないし。
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一気に身体が熱くなって、頬がカッと熱くなった。うそ、どうして?でもなんで嘘?ドキドキが止まらない、手が震えて・・
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振り返った。いつの間にかシャワーを上がった勇樹が、後ろで僕の携帯を覗き込んでいた。
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殴られた頬が痛い。あちこち蹴られた所も。 唇の端が切れて、血の味が広がっていた。
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うずくまって、身体に走る衝撃と喚き声が収まるのをただただ待った。この人はいつからこうだったんだろう?最初からこうだったんだろうか、僕がこうさせてしまった?
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「アイツと浮気してたのか!?親友だなんて言って!」
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浮気、しようとしていたのかもしれない。僕はなじられても文句は言えない。僕が悪いんだ。
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やさしい人だと思っていた。違ったみたいだ。 僕に人を見る目はないみたいだ。
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家具にロープで繋がれて、出られない。 太陽の光をずっと浴びていない。
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勇樹が会社に行くのを見送って、ぽつんと部屋に1人。携帯なんかもちろん取り上げられていて、ただぼんやりと一日を過ごす。
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って言わされるんだ。何度も何度も、僕を洗脳するかの様に。その度に優しい健の顔が浮かんで、僕は何度も心の中で謝った。
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だいすきだよ健、嫌いになんてなれる訳がないじゃないか。
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ある日。勇樹が面白そうに僕の携帯を見せてくることがあった。
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健からのラインに、僕のフリして勝手にメッセージを返信していた。
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そんなメッセージに、こんな風に勝手に返していて・・!
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それでも日を置いて、健はめげずに連絡をくれていたらしかった。
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らしかったって言うのは、裏でやりとりがあったことを後から知ったから。
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なんてメッセージに、勇樹が返信していたのはまたこんな内容だった。
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「健クン。その後、全然返信なくなったよ。さすがに凹んだだろうからなあ」
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でももう手遅れだ。きっと、すごく嫌われてしまってる・・。
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ロクな運動が出来ないせいか、脚なんか大分細くなってしまった。体力も落ちた。
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そんな僕を、勇樹は『可愛い、かわいい』と言うんだ。そう言われてゾッとするのにも、慣れてしまっていた。
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パッと見上げた僕の前で、勇樹は手紙をビリビリに破り捨てた。
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散らばった手紙。その一片に『体調はど』『会いたか』なんて文字が並んでいた。
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「アイツに住所を知られてるのが気に入らない。別の場所に行くぞ。そうしたら遥・・俺たちは永遠に2人っきりだ」
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それから更に2週間ほど経った。勇樹が勝手に決めてしまった新居に、勇樹の午後の半休を使って引っ越す。
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積み上がった段ボール。ここにいるのも今日が最後。最後に一回、健に会いたかったけれどそれは叶いそうもない。
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ふいに、遠慮がちにコンコン、と出窓が鳴った。ウチは1階だったから。
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分厚いカーテンの締め切られた窓。その奥から遠慮がちに聞こえた声に、ぶわと感情が溢れるのが分かった。
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ギリギリ手を伸ばしてカーテンを開けようとしたけど、ロープに遮られて届かない!
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『・・下がってろ!』と健の声が聞こえて、ガシャアン!と窓ガラスは破られた。
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出窓から、割れたガラスを蹴散らしながら入って来た健。
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「遥!!!大丈夫かお前そんな痩せちまって!?それになんだそのロープは!??おい、このアザ・・!」
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気が緩んだのか、僕の視界は急に暗転した。随分逞しい腕が僕を抱き止めてくれた。僕は随分久しぶりの安心に包まれていた。
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その後すぐ、勇樹は捕まった。勇樹を前にした時の健の剣幕はそれは凄いものだった。
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健の方が捕まらない様に、僕はない力を振り絞って健にしがみついていた。
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ドタバタがやっと落ち着いたその日の夜。リビングで僕らは話をしていた。
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「・・俺さ、遥には本当にフラれたものと思っててさ・・」
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ぎこちなく話だした健。ぶんぶんと首を振った僕。そんな訳ない。
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その時はインターホン鳴らしたけど、音が鳴らなくてな。これもしかしてインターホン切られてる?って思ったんだよな。
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どう考えても俺対策じゃん、て思った。手紙も返事はなかったし。
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俺はストーカーになっちまったのか?って本当に諦めようと思った。
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でも・・どうしても遥のLINEのメッセージが不自然だったのが気になってな。
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『2度と連絡してくんな、クズ』って送ってきたことあっただろ。あの文面がどうしても引っかかった。
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遥はあんな物言いしない。たとえ俺が大っ嫌いだとしても」
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僕は勇樹のしたことを説明した。やっぱりそうか、と頷いた健。
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「それにずっと音信不通だったし。あまりにも一方的で、遥らしくなかった。
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もしかして、万が一。監禁でもされてるんじゃないかなんて思ったんだ。
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・・いやそんなことある訳ない。俺がフラれただけ、でもおかしいってな。
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アイツが家を出ていくのを確かに見た後、出窓からコンコンってやったって訳。
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それでもダメなら、本当にお前から手を引こうと思ってた。念のためやって正解だったよ。
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でも、助けてやるのがこんなに遅くなってごめんな、遥」
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「僕のこと、諦めないでくれてありがとう・・」 「当たり前だろ」
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健の指先をそっと握った。ビクリと硬直したその身体。
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「・・LINEの『なら俺と付き合ってよ』って、本気・・?」
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「・・ああ、そうさ・・!じゃあ聞くけどな。遥の『だいすき』ってのは、結局どういう意味だったんだよ」
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「もちろん、恋人になって欲しいくらい大好きってことだよ」
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その台詞は、傷ついた僕のこころにふわりと優しく舞い落ちた。
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健の片想いに見せかけて本当は両片思いのお話でした!( ´∀`)
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ってこの間考えてたんですけど、そもそもその前に読者さんがどんなものが好きかそう言えば私よく知らないな・・と思いまして。
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ピクシブや他の小説投稿サイトでも良いのですが、読者さんの『私はこれが好き!』を教えてもらえたら嬉しいです!
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作品名かURLを以下のお題箱から送ってもらえると助かります!
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オススメをドシドシ布教してもらえたら嬉しいです( ^ω^ )
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ちなみに私個人は、かわいそうな受けくんが好きです!美少年のライバルが出てくるのはベタですが大好物です!美少年がクズ野郎なのも好きです!でも基本雑食なので何でも食べます!
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そういえばこの間、ある方からピクシブでリクエストをお受けして納品したんですね。(URL限定公開なので他の人は見れない)
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細かく要望を教えて頂き書いたので、読者さんの萌えツボが良く分かったし楽しかったです。
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なるほど、こういうのが好きなのね・・! と勉強になりました。
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リクエスト完了時の読者さんの声などもおいおい紹介しますね♪
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