こんにちは!月夜です。





前回はお題箱に沢山ご意見頂きありがとうございました(^^)返信不要の方もありがとうございます。

三角関係が人気な印象でしたね!色んな性癖が聞けて勉強になりました。
今後の参考にさせて頂きます。

中にあったご意見で、前回のメルマガ『心乱すあなた』の続きが読みたいというものがあったので、とりあえず今回書きました!

前回のメルマガはこちら

それでは今回もどうぞ!



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※今回は遥の視点です。

結構遅くなってしまった。細心の注意を払って家の鍵を開ける。

勇樹、寝てると良いんだけど・・なんて思ったが、それは無意味な願いだった。

「遅かったじゃないか」
「!!」

玄関扉を開けてすぐ、勇樹がすごく怖い顔をして立っていた。




『心揺らすあなた』




いつもの通り尋問は始まった。

「何時だと思ってるんだ」
「11時半です・・」

「早く切り上げて帰ってこいって言っただろ」
「ごめん・・」

「携帯、見せてみろ」
「・・・」

内心ため息を吐いて携帯を差し出す。

大丈夫だ。健とのLINEはマズイ奴は全部消してある。念のため、今だけブロックしてメッセージが来ないようにしてるし・・。

スッスとスマホをチェックしていく勇樹。

こんなのもう慣れっこだ。
ざっとひと通りチェック。

「ま、怪しいところはないな。今のところ」
なんとか合格点を貰えたらしい。

「・・待ってたよ、遥」

そして強引に抱きしめられるのを、僅かに抵抗したら『俺を拒絶するのか』とゴネる。逆らえばどうなるか・・。
更にキツく抱きしめられた。

どうせもう慣れっこだ、こんなのも。

・・健ならこんなこと間違ってもしないだろう、なんて想像しては落ち込むのも、慣れっこ・・。





勇樹と知り合ったのは、大学の研究室でだった。
僕よりも2個上の勇樹は、出会った当初は爽やかで優しくて、頼り甲斐のある先輩だった。

ある日、研究室に遅くまで2人で残っていたらそこで告白されたのだ。
悩んだ挙句、僕は付き合うことにした。

勇樹は押しが強く、僕らはあっという間に同棲をする様になった。最初は良かった。
だけど・・

勇樹は徐々にその本質を表し始めた。

最初の違和感。
それは『携帯見せて』だった。

僕のスマホをチェックして、常に浮気してないか確認する。ここまでだったら束縛の激しい恋人、で済んだかもしれない。

でも徐々に『俺以外の人間と会ってる時は、会話を録音させろ』だの『携帯にGPSアプリ入れる』だの、その行動はどんどん激しくなっていった。

勇樹は行き過ぎた執着を僕に向けていた。

・・今だって、信じられないけどさっきの健との食事の時の会話の録音を、聞いている・・。



「・・この健って奴さあ。やっぱりお前に気があるんじゃないの?」

「ないよ。健はただ良い奴なだけ。昔からのただの親友。本当だよ」

訝しげに僕を見つめる勇樹を、居た堪れない思いで見返した。



僕は内心、健にとっくに恋してた。
健が僕のことを好きでいてくれたらどんなに良いだろう。
でもそんな都合良いこと、きっとありはしない。

それに恋人と親友の間で心揺れる僕は、なんて浅ましく罪深い人間なのだろう。





翌日、目が覚めてスマホチェック。

そっと健のLINEのブロックを解除しておく。
今日は僕の誕生日。

勇樹がお祝いしてくれるのを、何と
かやり過ごす。高いお店を選んでくれて、それは感謝してるのだけれど・・。



『予約するのが大変だった』『ここ結構本当に高かったけど、まあ誕生日だし』『こういう所連れてくるくらい、お前を大事にしてるんだ』



そんなセリフにあははと相槌を打つ。せっかくの分厚いステーキ肉だけど、食べた気がしなかった。

・・疲れちゃったなあ・・

昨日は楽しかったなあなんて、少し上の空で考えていた。





夜。家に帰ってきて、勇樹がシャワー浴びてる間に何気なく携帯を見ていたら。

『誕生日おめでとう』とふいに来た健からのメッセージ。お、と思っていた。

『昨日のこと、忘れて。酔ってた』
続けて来たメッセージ。

?何のことだ??

『昨日のことって?』
『別れたあと送ったLINEのことだよ。見ただろ』

あ、やば。一時ブロックしてたから見れてないや。でもそんなこと、言えないし。

『なら俺と付き合ってよって送ったやつ。忘れて』
「!」

一気に身体が熱くなって、頬がカッと熱くなった。うそ、どうして?でもなんで嘘?ドキドキが止まらない、手が震えて・・



「遥」
「!!!」
振り返った。いつの間にかシャワーを上がった勇樹が、後ろで僕の携帯を覗き込んでいた。
健・・。





殴られた頬が痛い。あちこち蹴られた所も。
唇の端が切れて、血の味が広がっていた。

「何でだよ遥ァ!」

うずくまって、身体に走る衝撃と喚き声が収まるのをただただ待った。この人はいつからこうだったんだろう?最初からこうだったんだろうか、僕がこうさせてしまった?

「アイツと浮気してたのか!?親友だなんて言って!」

脇腹にまた衝撃。

浮気、しようとしていたのかもしれない。僕はなじられても文句は言えない。僕が悪いんだ。

「お前、もう家から出るなよ!」

やさしい人だと思っていた。違ったみたいだ。
僕に人を見る目はないみたいだ。

「返事は!」
「・・わかりました」




でも健は?健はきっと本当にやさしいよね。
健にはこんな顔はない。それは確かな気がするんだ。






家から出られなくなって、1週間が過ぎた。

会社は勝手に休職させられている。
家具にロープで繋がれて、出られない。
太陽の光をずっと浴びていない。

相変わらず、身体の色んなところが痛んでいた。
勇樹が会社に行くのを見送って、ぽつんと部屋に1人。携帯なんかもちろん取り上げられていて、ただぼんやりと一日を過ごす。

だけど・・

勇樹が帰ってきたら、辛い時間が始まる。

「僕は健がきらい!健がきらい!!」

って言わされるんだ。何度も何度も、僕を洗脳するかの様に。その度に優しい健の顔が浮かんで、僕は何度も心の中で謝った。



だいすきだよ健、嫌いになんてなれる訳がないじゃないか。





ある日。勇樹が面白そうに僕の携帯を見せてくることがあった。

健からのラインに、僕のフリして勝手にメッセージを返信していた。

『この間のこと、やっぱり怒ってるよな。ごめんな』

そんなメッセージに、こんな風に勝手に返していて・・!
『健なんか大っ嫌いだ。本当は昔からずっと』



「携帯返せよ!!!」
そんな言葉だけが虚しく部屋に響いた。





それでも日を置いて、健はめげずに連絡をくれていたらしかった。

らしかったって言うのは、裏でやりとりがあったことを後から知ったから。
ニヤニヤ携帯を見せてきた勇樹。

『ふつうに友達でいるのも無理か』

なんてメッセージに、勇樹が返信していたのはまたこんな内容だった。

『2度と連絡してくんな、クズ』

・・!!!

「健クン。その後、全然返信なくなったよ。さすがに凹んだだろうからなあ」
唇がわなわな震えて何も言えなかった。



健との友情が壊れていく。僕を嫌わないで、健。
でももう手遅れだ。きっと、すごく嫌われてしまってる・・。




家から出られなくなって4週間が過ぎた。

ロクな運動が出来ないせいか、脚なんか大分細くなってしまった。体力も落ちた。

そんな僕を、勇樹は『可愛い、かわいい』と言うんだ。そう言われてゾッとするのにも、慣れてしまっていた。

日に日に心を失っていく。僕らしさも。

「遥、俺たち引越ししようと思うんだ」
あるとき勇樹が言った。

「健クンからウザったい手紙が来てる」

パッと見上げた僕の前で、勇樹は手紙をビリビリに破り捨てた。
「・・!!」



散らばった手紙。その一片に『体調はど』『会いたか』なんて文字が並んでいた。

「アイツに住所を知られてるのが気に入らない。別の場所に行くぞ。そうしたら遥・・俺たちは永遠に2人っきりだ」

心底ゾワついて、胸が押しつぶされる思いだった。





それから更に2週間ほど経った。勇樹が勝手に決めてしまった新居に、勇樹の午後の半休を使って引っ越す。

積み上がった段ボール。ここにいるのも今日が最後。最後に一回、健に会いたかったけれどそれは叶いそうもない。



勇樹が会社に行って30分くらい経った頃だろうか?
ふいに、遠慮がちにコンコン、と出窓が鳴った。ウチは1階だったから。

でも誰だ?勇樹・・?



「・・遥?」



分厚いカーテンの締め切られた窓。その奥から遠慮がちに聞こえた声に、ぶわと感情が溢れるのが分かった。

ずっとずっと会いたかった!

「健!」

ギリギリ手を伸ばしてカーテンを開けようとしたけど、ロープに遮られて届かない!

「助けて!」

めいいっぱいの声を張り上げた。

『・・下がってろ!』と健の声が聞こえて、ガシャアン!と窓ガラスは破られた。
出窓から、割れたガラスを蹴散らしながら入って来た健。

「遥!!!大丈夫かお前そんな痩せちまって!?それになんだそのロープは!??おい、このアザ・・!」
「健・・助けて・・」




気が緩んだのか、僕の視界は急に暗転した。随分逞しい腕が僕を抱き止めてくれた。僕は随分久しぶりの安心に包まれていた。





その後すぐ、勇樹は捕まった。勇樹を前にした時の健の剣幕はそれは凄いものだった。

「お前、絶対許さないからな!!!」

健の方が捕まらない様に、僕はない力を振り絞って健にしがみついていた。




ドタバタがやっと落ち着いたその日の夜。リビングで僕らは話をしていた。

「・・俺さ、遥には本当にフラれたものと思っててさ・・」

ぎこちなく話だした健。ぶんぶんと首を振った僕。そんな訳ない。



「実は1回来たことあるんだ、ここに。

その時はインターホン鳴らしたけど、音が鳴らなくてな。これもしかしてインターホン切られてる?って思ったんだよな。

どう考えても俺対策じゃん、て思った。手紙も返事はなかったし。
俺はストーカーになっちまったのか?って本当に諦めようと思った。

でも・・どうしても遥のLINEのメッセージが不自然だったのが気になってな。
『2度と連絡してくんな、クズ』って送ってきたことあっただろ。あの文面がどうしても引っかかった。

遥はあんな物言いしない。たとえ俺が大っ嫌いだとしても」



じわ、と嬉しくなった。信じてくれてたんだ、健。
僕は勇樹のしたことを説明した。やっぱりそうか、と頷いた健。



「それにずっと音信不通だったし。あまりにも一方的で、遥らしくなかった。

もしかして、万が一。監禁でもされてるんじゃないかなんて思ったんだ。
・・いやそんなことある訳ない。俺がフラれただけ、でもおかしいってな。
それで今日。

アイツが家を出ていくのを確かに見た後、出窓からコンコンってやったって訳。

それでもダメなら、本当にお前から手を引こうと思ってた。念のためやって正解だったよ。
間に合って良かった。

まさか遥の恋人がこんなDV野郎だったなんて。
でも、助けてやるのがこんなに遅くなってごめんな、遥」

眉根を寄せて心底辛そうな健。

首を振った。僕は本当に助けられたのだ。

「僕のこと、諦めないでくれてありがとう・・」
「当たり前だろ」



ふふ、と笑みが溢れた。

それより・・
健の指先をそっと握った。ビクリと硬直したその身体。

「・・LINEの『なら俺と付き合ってよ』って、本気・・?」

ずっと気になっていたことを切り出した。

もしもそれが本当なら。

「・・ああ、そうさ・・!じゃあ聞くけどな。遥の『だいすき』ってのは、結局どういう意味だったんだよ」



照れ隠しなのか、少しぶっきらぼうな健。
ああ、こんな幸運あるんだろうか。



「もちろん、恋人になって欲しいくらい大好きってことだよ」

言った途端、ギュッと強く抱きしめられた。

「これからはずっと俺が大事にするよ」




その台詞は、傷ついた僕のこころにふわりと優しく舞い落ちた。





end
ーーーーーーーーーーーー

健の片想いに見せかけて本当は両片思いのお話でした!( ´∀`)





さて、今日は読者さんに質問があります!

◆あなたの好きなものを教えてください!



何を書くと読者さんに喜ばれるのかな?

ってこの間考えてたんですけど、そもそもその前に読者さんがどんなものが好きかそう言えば私よく知らないな・・と思いまして。

ピクシブや他の小説投稿サイトでも良いのですが、読者さんの『私はこれが好き!』を教えてもらえたら嬉しいです!



小説・漫画問いません。
作品名かURLを以下のお題箱から送ってもらえると助かります!

オススメをドシドシ布教してもらえたら嬉しいです( ^ω^ )
普通の感想やメッセージお送り頂いてもOKですっ!

お題箱

ちなみに私個人は、かわいそうな受けくんが好きです!美少年のライバルが出てくるのはベタですが大好物です!美少年がクズ野郎なのも好きです!でも基本雑食なので何でも食べます!




◆ぺちゃくちゃと
そういえばこの間、ある方からピクシブでリクエストをお受けして納品したんですね。(URL限定公開なので他の人は見れない)
細かく要望を教えて頂き書いたので、読者さんの萌えツボが良く分かったし楽しかったです。

なるほど、こういうのが好きなのね・・!
と勉強になりました。
リクエスト完了時の読者さんの声などもおいおい紹介しますね♪




今回はここまで!
それではまた!
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