※今回はぬるい…というにはちょっと際どいシーンがあります。r18チックなので、苦手な方は読み飛ばすと良いかもです。
夜の亜蓮さんの部屋で2人きり。ソファに並んで座っている。
テーブル上にはたくさんのお酒の空き瓶と、僕のスマホ。
他のメンバーからのメッセージを次々に受信していくのを亜蓮さんも見下ろしながら言った。
「皆して藍に連絡してくんな。いつの間にこんな仲になったんだよ?…気に入らないね」
僕の肩を抱く力がギュウと強くなる。爪が肩に食い込む。その痛さにドクンとした。いけない、酔っているせいだ。
「あの、仕事ですし…それに皆さんが優しいので構ってくれるんですよ」
ヘラヘラ誤魔化して笑おうとしたら、怒られた。
「そういう言い訳やめな。襲って俺のもんにしたくなる」
心底ドキッとして、僕は二の句が告げなかった。
「でさあ…藍」
耳元で艶めいた声が低く囁く。耳から犯されそう。
「な、何でしょう…」
「さっき俺が玄関でキスした時さあ、あのあとベッドの誘い無下にしたよなあ?」
亜蓮さんの指先が僕の頬を妖しく撫で、引っ掻いた。
「!だ、だって…」
あの蕩けそうなキスのあと、親指でくいとベッドを指されたのだ。そんな手慣れた誘いを、コドモな僕は知らない。
「じゃあせめて俺に詫びいれなきゃって気になるだろ?」
「そ、そんな…」
「抱く真似事なら良いんだろって話」
「や、なに言って…」
突然ソファに押し倒されて僕の反論は宙に浮いた。
「俺の言うこと1番に聞けって言ったろ、藍」
***
亜蓮さんに人差し指の先を舐めて噛んで食まれている。肉厚な舌で撫でられて背筋が震えた。
「人差し指って敏感だよなあ…どう?藍」
「…!…」
意地悪そうに楽しそうに僕を見下ろす亜蓮さん。
分かってるくせに…!
「藍って敏感肌というか、刺激にいちいち弱いよなあ?俺が耳元で話すと分かりすく顔真っ赤にしてさあ。今もだけど…かわいーね」
べろ、と見せつけるようにやられて僕は目を逸らした。
「…今は酔ってるからですよ…」
「ふーん、そういう言い訳すんだ」
ぎざ、と痛みが指先に走った。強く噛まれてじんじんと傷んだ。
ぐいと覆い被さってきて彼は言った。
「藍ってさあ。本当はドMだろ」
「!ち、違いますよう」
「素直に認めりゃ良い。本当は命令されるのが好きなタイプだろ、な?」
ぐいと顎先を掴まれて無理やり亜蓮さんと目を合わせさせられる。野生味を帯びた瞳は僕を見据えて話してくれない。
「し、知りません…」
「だから他の男じゃダメだねお前は。サミーも、雷も、もちろんテディも」
「や、別に、僕は…」
「お前は他の奴には渡さない。覚えとけよ」
そう言ってぐいと僕の脚を抱え上げると、そのままガツガツ腰を打ちつけてきた。もちろん服着たままだけど…!
「いずれマネゴトなんかじゃなく、本気でやろーな、藍!」
***
明け方、ふらふらと僕は亜蓮さんの部屋を出た。
そうっと忍足で、亜蓮さんが確実に眠っているのを確認した上で、腕枕から逃れたのだ。
廊下で頭を抱えてうずくまった。
あれはやってしまったのか!?一線を越えることは確かになかったけど、でも越えてはいけないラインは過ぎてしまった気がする…!!
…亜蓮さんへの憧れの気持ちに気づいてしまったのは確かにそうだけど…いや酔ってたせいだ。うん、そう。もう何もかも酔ってたせい!!そういうことにしよう!
そう思って自分の部屋まで戻ってきてみたら…部屋の前には大きな体の男の子が座り込んでいた。
テディだった。
続く
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